「観葉植物をお手入れしているときに虫が......」そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?せっかくの素敵な観葉植物に虫がつくのは誰でも避けたいもの。ただ、どうすれば虫を予防・除去できるのかわからないという方も多いでしょう。今回は、観葉植物に虫がつく原因と対処・予防方法をご紹介します。
観葉植物の害虫は?虫の種類を解説
観葉植物でよく見られる害虫は以下の5種類です。素敵な観葉植物の美観や健康のためにも、それぞれの原因と対処方法を覚えておきましょう。
コバエ
コバエは観葉植物につく代表的な虫です。コバエ自体が植物の生育を妨げたり、枯らせたりすることはありませんが、不快感を感じさせることから「不快害虫」と呼ばれています。気温25〜30度、湿度60%程度で活動が活発になり、1匹で約80個もの卵を産むため、対処が遅れると観葉植物があっという間にコバエだらけに。部屋でコバエが飛び回っているとストレスになりますね。
【発生原因】
コバエは土に含まれる有機物をエサにしています。観葉植物の土には大量の有機物が含まれており、これを求めてコバエが観葉植物に近づきます。また、有機物をたくさん含んだ土は繁殖の場としても最適で、一度土に卵を産みつけられると、あっという間に大量発生してしまいます。
【対処方法】
コバエが発生したときの対処方法としては以下があります。
・ハエ取りシートを土にさしておく
・表土を入れ替える
・鉢ごと水に沈める
・表土を無機質な資材(ハイドロカルチャー・化粧石)にする
すでに繫殖したコバエを除去するにはハエ取りシートが効率的です。また、コバエは表面から3〜4cmの場所に卵を産むため、「表土を入れ替える」「表土を無機質な資材にする」などの方法で繁殖を予防できます。鉢ごと水に沈める方法もすぐにできるのでおすすめ。1度だけでは死滅しないことが多いので、複数回おこないましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、葉や枝につく白い綿のような虫です。野菜・草花・観葉植物など、さまざまな植物に発生し、枝や葉から栄養を吸汁します。植物が弱ってしまったり、カイガラムシの排泄物が原因ですす病を発症してしまったり、さまざまなトラブルの元になります。
【発生原因】
カイガラムシの発生原因はいくつかあります。代表的なのは「もともと付着していたカイガラムシによる繁殖」「衣服や持ち物に付着して持ち帰ってしまう」「風などで運ばれて植物に付着する」などです。
【対処方法】
カイガラムシは葉裏に卵を産みつけるため、葉裏を小まめにチェックして卵があればティッシュなどで拭き取りましょう。幼虫が見つかった場合も同じく、ティッシュなどで除去するか、殺虫剤を利用するのがおすすめです。成虫の場合は、歯ブラシなどでこすり落とす・ティッシュで剥がすなどの方法がありますが、枝に吸着して取り除けないことがあります。その場合は枝ごと剪定するとよいでしょう。
アブラムシ
アブラムシは小さな点のような虫で、繁殖力が高いのが特徴。葉や枝に発生し、養分を吸い取って成長するため、観葉植物にダメージを与えてしまいます。また、アリを誘引する他、アブラムシの排泄物が原因で観葉植物がすす病にかかってしまう可能性もあります。
【発生原因】
アブラムシが発生する原因としては、「肥料のあげすぎ」があります。中でも窒素を多く含む肥料は、アブラムシの大好物であるアミノ酸を生成しやすく、アブラムシを引き寄せる原因になります。また、観葉植物を屋外に出したり、受け皿の水を放置したりすることもアブラムシが発生する原因になります。
【対処方法】
アブラムシの対処方法としては、スプレーを使った方法が一般的です。「水でうすめた牛乳・石鹸水・木酢液の希釈水」などをアブラムシが発生した箇所にかけるのがおすすめ。除去した後は、葉を水で洗い流し、鉢ごと水に沈めて余分な成分が残らないようにしましょう。
ハダニ
ハダニは成虫でも0.5mm程度の小さな虫です。クモの仲間で白い糸を引くのが特徴。葉の栄養分を吸い取って成長するため、放置すると葉が枯れて落ちたり、株自体の健康状態が悪化します。
【発生原因】
ハダニは風に乗って運ばれてくるとされています。また、衣類や持ち物に付着して持ち込んでしまうこともあります。高温(20〜30℃)かつ乾燥している環境を好むため、梅雨明けから夏に発生しやすく、繁殖がすすむのもこの時期です。外に観葉植物を置かないようにする、帰宅前に衣類や持ち物をはたくなどの対策を行い、ハダニを侵入させないようにしましょう。
【対処方法】
ハダニは水を嫌うため、定期的に葉水をすることで除去・予防ができます。また、大量発生した場合は、牛乳や木酢液の希釈水を散布するのがおすすめ。幼虫や卵ごと除去したい場合は、鉢ごと水に5〜15分ほど入れるとよいでしょう。
コナジラミ
コナジラミは、約3mm以下の非常に小さな虫です。幼虫は楕円形で淡い黄色をしており、成虫になると細長くて白い羽が生えるのが特徴。5〜10月の湿度と温度が比較的高い時期に発生しやすく、観葉植物の葉裏などに付着します。植物の栄養を吸い取るため、葉が枯れる原因になる他、排泄物が原因で観葉植物がすす病にかかることもあります。
【発生原因】
コナジラミはさまざまな草木に寄生しており、自然が多い環境であればどこにでも生息しています。近くに畑や川、公園などがあればそこから飛んできたり、風に運ばれて観葉植物に付着します。また、衣類や持ち物に付着して持ち運んでしまうこともあります。
【対処方法】
コナジラミの対処方法として代表的なのが牛乳を水で薄めたスプレーを吹きかけることです。牛乳をかけることでコナジラミが窒息するため簡単に除去できます。牛乳スプレーをかけた後は、霧吹きで水をかけてしっかり洗い流すようにしましょう。卵や幼虫ごと除去したい場合は、鉢ごと水に5〜15分ほど入れるとよいでしょう。
観葉植物に虫がつくのを予防する方法
観葉植物にまだ虫が発生していない方は、ぜひ予防を試してみてください。以下のような方法を試すことで、虫が発生するのを防ぐことができます。
室内に入れる前に観葉植物を掃除する
観葉植物を購入した場合は、飾る前に葉や枝についたホコリやチリをきれいに落としましょう。また、水やりのついでに優しい水流でシャワーすると、卵や幼虫ごと洗い流すこともできます。虫は葉裏に卵を産みつけるので、葉裏までしっかりシャワーをかけてみてください。
受け皿を定期的に掃除する
コバエなどの虫は、湿って汚れた環境を好みます。受け皿に水が溜まったまま放置したり、鉢が汚れているとコバエの他、さまざまな虫が発生しやすくなるため、受け皿や鉢を常に清潔にしておきましょう。
ココナッツファイバー・石などで土を隠す
虫が土の内部に卵を産みつけないように、土の表面にココナッツファイバーやハイドロカルチャー・化粧石などを置きましょう。土の表面を隠すことで、虫が卵を産みつけられなくなります。
水やりの頻度を減らす
水やりは観葉植物の成長に欠かせませんが、やりすぎは禁物です。湿度が高すぎる環境は虫が繁殖しやすくなるだけでなく、根腐れなどの原因にもなってしまいます。
ハーブや木酢液を利用する
虫の多くは嗅覚が鋭く、香りの強いハーブや木酢液が苦手です。ハーブや木酢液の希釈水を定期的にかけると虫が寄り付きにくくなります。
害虫が付きにくい観葉植物を選ぶ
葉が薄く枝も細い、または葉が密集するタイプの観葉植物は虫が集まりやすい傾向があります。逆に、葉が分厚い多肉植物や葉が大きく枝もしっかりしているゴムの木系の植物は、比較的虫がつきにくいとされています。虫の発生を防ぎたい方は、このようなタイプを選ぶとよいでしょう。また、土は虫が繁殖する温床になるため、水だけで育てられる観葉植物もおすすめです。
【丸ごと洗える観葉植物&Greenとは?】
&Greenは、土を使わず水だけで育てることができるので虫が発生しにくく、丸ごとキッチンや洗面所で洗い流すことができるため虫予防も簡単な観葉植物です。水が少なくなったら注ぎ足すだけなので水やりのタイミングが分かりやすく、土を使わず清潔に楽しめるので、初心者にもぴったり。器も家にあるお気に入りのグラスやカップなどが使えてアレンジ自在です。
販売サイト &Green
害虫がつきにくい観葉植物5選
観葉植物を選ぶ際に害虫がつきにくいタイプを選ぶことが大切です。ここからは、害虫がつきにくい観葉植物5選をご紹介します。
パキラ
・パキラの特徴
パキラは、大きな5枚の葉が印象的な植物。幹が太くしっかりとしており、比較的虫がつきにくい観葉植物です。
・パキラの育てやすさ
耐寒性はやや低いものの耐暑性・耐陰性に優れています。日光が届きづらいリビングでも比較的育てやすく初心者にもおすすめです。
・パキラの花言葉・風水
パキラの花言葉は「勝利」で別名は「発財樹(Money tree)」。お金をもたらす幸運の木という意味があり、勉強机や仕事机に飾るのが良いかもしれません。
ポトス
・ポトスの特徴
ポトスはつる性多年草の植物で、つるを伸ばして成長するのが特徴です。つるは細いものの、葉が大きく比較的虫が付きにくいとされています。成長してつるや葉が密集すると虫が湧きやすくなるため、剪定したり大きな鉢への植え替えをおこないましょう。
・ポトスの育てやすさ
耐寒性がやや弱いものの、耐暑性・耐陰性に優れています。多湿を好むので、定期的に葉水が必要ですが、初心者でも育てやすい観葉植物です。工夫次第でつるの伸ばし方を変えることができ、支柱で上に伸ばす、ハンギングで下に伸ばす、地面を這うように横に伸ばす、などさまざまな楽しみ方ができます。
・ポトスの花言葉・風水
ポトスの花言葉は「永遠の富」「華やかな明るさ」です。風水では、「自己の活性化」や「恋愛運アップ」といった効果があるとされています。
サンセベリア
・サンセベリアの特徴
サンセベリアはスズラン亜科ドラセナ属の観葉植物で、縞模様の大きく長い葉っぱが特徴。葉が大きく厚いため、虫が繁殖しにくい観葉植物です。個性的でオシャレな雰囲気も魅力的な植物です
・サンセベリアの育てやすさ
非常に丈夫で乾燥に強く、初心者でも育てやすい植物です。ホルムアルデヒドといった有害物質を吸収・分解する性質があり、植物の中でも特に空気清浄効果が高いのもポイント。美しい見栄えだけでなく、室内の環境を良くする効果も期待できます。
・サンセベリアの花言葉・風水
サンセベリアの花言葉は「永久」「不滅」「長寿」「幸福」「開運」で、風水としては邪気を払ったり、集中力を高める効果があるとされています。ただし湿度に弱いため、なるべく風通りの良い場所に飾るのがおすすめです。
モンステラ
・モンステラの特徴
モンステラは、深い切れ込みや穴など独特な葉形が印象的な植物です。葉も大きく、茎もしっかりしているので比較的虫が付きにくい観葉植物です。
・モンステラの育てやすさ
耐陰性があり乾燥にも強い植物です。直射日光や寒さを避ければ育てやすいため、初心者にもおすすめです。
・モンステラの花言葉・風水
ペペロニアの花言葉は「嬉しい便り」「壮大な計画」「深い関係」です。風水としては金運を引き寄せる効果があるとされており、リビングに飾るのにぴったりです。
ガジュマル
・ガジュマルの特徴
ガジュマルは、太くしっかりとした幹が特徴的な観葉植物です。乾燥に強く頑丈なため虫が付きにくく、虫が少しついた程度では簡単には枯れません。葉は、比較的小さめで虫がつきやすいため、定期的に葉水をあげたり、葉裏をチェックしたりして虫の繁殖を防ぎましょう。
・ガジュマルの育てやすさ
乾燥にも強い植物です。熱帯・亜熱帯地域の植物のため寒さが苦手なことと、直射日光や寒さを避ければ育てやすいため、初心者にもおすすめ。直射日光を避ける必要がありますが、日光を好むため比較的明るい日陰で育てましょう。
・ガジュマルの花言葉・風水
ガジュマルの花言葉は「健康」です。風水としては気持ちを落ち着かせて和やかにするリラックス効果があるとされています。
まとめ
今回は観葉植物を育てる際の大きな悩みである虫がつく原因や対処方法についてご紹介しました。大切に育てている観葉植物に虫が湧いてしまうのは、誰にとっても不快なものですよね。植物を長く健康に楽しむためにも、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。