&Greenでは2025年7月から、2025年12月までの売り上げの一部を、ウォーターエイドジャパンに寄付をいたしました。
3月22日は世界水の日。&Greenでは売上の一部をウォーターエイドジャパンへ、寄付を続けています。2025年の寄付金が役立てられたルワンダでの事例と、今回の寄付が支援につながる今現在危機に直面している南部アフリカの状況をご紹介します。
未来を変える水、気候変動の影響を受ける水
2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)のゴール6は、2030年までに、「安全な水とトイレを世界中に」を達成することを目指しています。2015年以降、世界中で9億6,100万人が自宅で安全な水を利用できるようになり、12億人が自宅で衛生的なトイレを利用できるようになりました。

水利用者委員会のメンバーであるジャフェットさん(写真左)と家族。ジャフェットさんは、家の近くで安全な水を得られるようになったことで、生活が大きく変わったと話します。
WaterAid/ Cedric Ishimwe
ウォーターエイドが活動する地域でも、日本の皆さまからのご支援によって、日々、清潔な水を使える人、トイレを使える人が増えています。例えば、ウォーターエイドがルワンダ東部県ブゲセラ郡で進めている水・衛生プロジェクトでは、2025年夏、日本の皆さまにご協力を呼びかけさせていただき、多くの皆さまからのご寄付を頂戴しました。これによって、約3万人が清潔な水を利用できる見込みとなり、地域には大きな変化が生まれています。
水がもたらす未来~ルワンダ・ブゲセラ郡の事例
ルワンダでは、都市部の水・衛生は改善が進んでいる一方、農村部では、今も、人口の20%が川や池などの表層水を使っており、76%の家庭には、石けんと水で手を洗う設備がなく、人口の31%が、適切なトイレを利用できない状況にあります。ブゲセラ郡も、農村部では人々が池や川の水を利用するなど、水・衛生の改善は遅れています。現在、同郡には、3つの浄水場があるものの、多くのコミュニティには、浄水場からの給水網が届いていません。

給水網が届いておらず、湖から水をくむブゲセラ郡の住民たち。
WaterAid/ James Kiyimba
そこでウォーターエイドは、ブゲセラ郡をルワンダのなかの重点取り組み地域に設定し、給水網の拡大、学校や診療所の水・衛生改善、衛生習慣の促進による家庭用トイレや手洗いの普及、さらには政府や水道事業体の能力強化などに取り組んでいます。
2025年度、ムセニイセクター(セクター:郡の下の行政区画)において17kmのパイプ敷設が完了し、3,117人の住民と1,402人の子供たちが家庭や学校で安全な水を使えるようになりました。さらに4.6km延伸することで、最終的に約3万人に水を届けられる予定です。現地パートナー団体の若い作業員エヴァリストさんは、「水が来たことで地域に成長が生まれている」と語り、将来の暮らしに希望を抱いています。

貯水槽建設の作業にあたるエヴァリストさん。
WaterAid/ Cedric Ishimwe
また、今年度は学校6校においてトイレ棟と月経管理室を建設中です。月経管理室とは、月経中で体調がすぐれない女子生徒たちが横になって休むためのベッドや、生理用品、体を清潔に保つためのシャワー室が備わった部屋で、これによって、女子生徒たちが月経中も、または学校で月経がはじまっても安心して勉強を続けることができるようになります。家庭用トイレについては、ウォーターエイドの研修を受けた地域の職人が協力して97基のモデルトイレを建設しました。
新しいインフラを持続させるために不可欠なのが、コミュニティのリーダーシップです。その重要なしくみの1つが水利用委員会 です。これは、コミュニティの住民からなるグループで、水・衛生公社と協力しながら、給水設備を維持管理したり、住民のニーズを伝達したりする役割を担います。2025年度は、104人の委員会メンバーが研修に参加し、その役割を果たすための知識と技術を身につけました。また、住民たちの啓発を目的に、2本のラジオ番組を通じて水・衛生の大切さについて広く発信。住民が自分たちで設備を維持管理し、手洗い等の衛生習慣を実践していく、水・衛生のしくみが構築されつつあります。

作物に水をやる水利用委員会のジャフェットさん(写真左)夫婦。
WaterAid/ Cedric Ishimwe
水委員会メンバーであり、農家のジャフェットさん(46)は、生まれ育った村のために、長く続く変化を支えたいと考えています。 「(委員会向けの研修で)学んだことの中でも特に重要だったのは、住民に対して、蛇口も含め給水設備を大切にし、維持するように促すことでした。その結果、変化が目に見えるようになりました。住民が水を正しく扱うようになったのです。最近は、トイレのない家はありません。みな、水を正しく使う方法を学び、実践しています」
気候変動が引き起こす水・衛生危機~南部アフリカの事例
このように着実に水・衛生の状況が改善している地域がある一方、今も、世界では約7億人が清潔な水を自宅近くで確保できません。この状況をさらに悪化させているのが気候変動です。気候関連の災害は9割以上が干ばつや洪水、サイクロンなど水に関する災害です。干ばつになると井戸は枯れ、人々は遠くまで水を求めて歩くことになるばかりか、作物や家畜を失い、生活や命が脅かされます。洪水やサイクロンではトイレや給水設備が破壊され、清潔な水へのアクセスがさらに困難になり、水系感染症のリスクが高まります。

モザンビーク首都マプト 冠水した主要道。
WaterAid/Arão Valoi
南部アフリカでは、2025年末から続く大雨によって大規模な洪水が発生し、モザンビークやマラウイを中心に約80万人が被災する深刻な状況となっています。多くの住民が家を失い、洪水による死者や行方不明者の数も増え続け、地域全体が大きな危機に直面しています。
洪水によって家屋や生活基盤が破壊されただけでなく、飲み水として利用していた水源が汚染され、トイレも倒壊するなど、衛生環境が大きく損なわれました。清潔な水が手に入らないことに加え、避難所では多くの人が密集して生活しているため、水系感染症の拡大が懸念されています。すでにモザンビークの一部の地域ではコレラ感染が確認されており、今後さらに広がる危険があります。
洪水で道路が寸断され、市場や病院、水源などへのアクセスも難しくなっているため、人道支援の活動にも大きな制約が生じています。ウォーターエイドの活動地域でもアクセスが断たれ、現地の多くの取り組みが一時中断せざるを得ない状況となっています。

モザンビークのマプト州ボアネ郡で、自宅の前に立つブリトさん。家は洪水の水に浸かったままで、壁以外はすべて流されてしまった。トイレも倒壊し、住民たちは安全な水を得る手段がない。
WaterAid/Arão Valoi
こうした中、ウォーターエイドはモザンビークとマラウイで緊急支援を開始しました。具体的には、飲料水を安全に確保するための塩素剤や浄水タブレット、安全な給水容器、石けんや生理用品などを含む衛生キットの配布、仮設トイレの設置を進めています。また、壊れた給水設備やトイレの修復・消毒を行い、政府や国際機関と連携しながら地域の衛生管理体制の強化を支援しています。
ウォーターエイド・モザンビークの現地代表は、「気候変動による災害が頻発する中、水と衛生の確保は命を守り、地域の復興を支えるために欠かせない」と述べています。今回の洪水は、気候変動の影響を最も受けやすい人々の脆弱さを浮き彫りにしており、長期的にも水と衛生の強化を続けていく必要があります。
災害から暮らしを守る取り組み~「自然を活用した解決」
気候変動の影響が深刻化する中で、地域の自然環境を守りながら暮らしを支える「自然を活用した解決(Nature-based Solutions)」という取り組みが注目されています。これは、森林や土壌、水源といった自然の力を生かし、災害への強さや生活の安定を高める方法です。

農村部の人々がつくった段々畑。土壌流出防止の役割を果たす。
WaterAid/Gladys De Jesus
ウォーターエイドも、「自然を活用した解決」の取り組みを取り入れ始めており、東ティモールの村では、現地団体と協力し、水保全と土壌保全に取り組んでいます。一例として、地域の人々が主体となって、雨水をためて土壌保水や水源確保につなげる「リテンションポンド(保水池)」の整備、段々畑づくり、苗木を育てる地域種子センターの設置、ココナッツやガジュマルの植林、水源保護など、自然と調和した活動を進めています。
住民の多くが農業を営む東ティモールの農村部では、乾期の水不足が大きな課題となるため、「自然を活用した解決」による水源保護や土壌改善は、気候変動の影響を受けない生活の基盤づくりに直結します。この取り組みが「モデル」となり、気候変動の影響を受けやすい他地域への応用も期待されています。

地域種子センター。
WaterAid/Gladys De Jesus
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特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
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&Greenの植物たちが世界の水・衛生環境を守る活動につながっています。Nature-based Solutions の取り組みは直接的に植物によって、人の暮らしが支えられています。そんな植物の力に想いを馳せるきっかけとなれば嬉しく思います。