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&Greenスペシャルインタビュー#23 クリエイティブディレクター 木本梨絵

&Greenスペシャルインタビュー#23 クリエイティブディレクター 木本梨絵

自然が生き方を教えてくれる

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株式会社HARKEN代表。武蔵野美術大学非常勤講師。自然環境における不動産開発「DAICHI」を運営。「日本草木研究所」クリエイティブディレクター。自らも事業を営みながら、さまざまな業態開発やイベント、ブランドの企画、アートディレクションを行う。

公式サイト https://harkenic.com/
Instagram @riekimoto
X @rie_kimoto
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五感で出会う自然の面白さ

独立して3年が経ちますが、自分が好きな植物や建築に関わる仕事をしているうちに、自然にまつわるプロジェクトが増えていきました。そんなきっかけのひとつが「DAICHI」の立ち上げですね。先日は千葉県いすみ市にある物件に行ってきたのですが、建物が屋内と屋外の境界をあえて設けないつくりになっていて、部屋の中に小さな雨蛙たちがいることも。併設されているサウナに入った後は、月明かりに照らされながら外気浴するんです。近くに生えているローズマリーの葉をひょいとちぎって、植物の香りを体内に取り込みながらととのう体験はこの場所ならでは。自然と人の暮らしがあいまいに溶け合った、都会での暮らしから開放された豊かな時間が流れています。

自然には、外から眺めているだけではたどりつけない面白さがあるとつくづく思うんです。香りや手触りといった五感で自然を楽しめてはじめて、逃れようのない深い魅力に没入できる。とはいえそんな没入感を味わったことのない人がまだまだ世の中に多いからこそ、私自身が体験してきたディープな自然の魅力を伝えたいという思いが常にありますね。「サステナブル」「地球に優しい」といったイメージだけでなく、純粋に楽しく、心救うものなのだという伝え方を心がけています。

それぞれの場所で欠かせない植物

今の家は都内にありながら、緑をすぐ近くに感じられるところが気に入っています。春に芽吹いた若葉が、夏とともにしっかりした緑色を帯びてきて、紅葉のあとは、葉が落ちて木々の奥まで見渡せるようになるんです。たぬきが歩いている日もありますし、ついさっきは蝶が陽の光を浴びてキラキラと飛んでいました。自宅ではそんな毎日表情が異なる緑を借景にしながら、それらに風景を重ねるように花を飾ることが多いです。外の木々に室内の花が重なることで、窓の外と中が境界線を失い、溶け合うような一体感が生まれるんです。

一方、オフィスは外の景色に緑がないので、たくさんの観葉植物を置いています。側から見るとだいぶ怪しいですが、水をあげるときはついつい話しかけてしまいます。出張が続いてケアができなかったときは謝ったり、自分より背が低かった植物がすくすく伸びて私の背丈を超えた時には感動して声をかけたりだとか。そういえば過去に一度だけ、クワズイモに花が咲いたことがあり、あのときは嬉しくて仕方なかったですね。自然の木々と違い、観葉植物は自分が世話する必要があるからこそ、家族みたいな存在になりますよね。

旅先で植物や自然にふれる時間も、私にとっては大切です。特に印象深かったのは昨年の石垣島での旅。夜の海に一人で浮かび、島の木々や波のゆらぎ、途中で降ってきた雨粒が頬を撫でる感覚をじっと感じていたんです。バランスを崩すと鼻に水が入るからと、無心で呼吸に集中していたらすごく気分が落ち着いて。忙しい日々に踊らされ、息すら上手にできていなかった自分に気付かされて、そこから働き方、生き方が大きく変わったように思います。

先日、新潟の「里山十帖」という宿の露天風呂で見た朝焼けも忘れられません。木々の狭間から昇る太陽の光がこちらに差すのを見たときに、自然は太古から淡々と同じサイクルを続けていて、人間とは桁違いのスケールで存在しているのだという当たり前のことを実感しました。そこには何の意味もなく、太陽も木々もただただそこにあるだけ。それは人間も同じで、ただそこにいるだけで既に完結していて、頑張りすぎる必要も存在意義を求める必要もない。思いもよらぬ自然との出会いが価値観を揺らし、楽に生きる道標をくれるんです。

愛しくて強い「&Green」

今日「&Green」を飾っているのは、iittalaのグラスです。初めて見たとき、器に気軽に活けられるのが新しいなと思いましたね。鉢植えは植え替えが面倒なこともあるので、水だけで育てられるのはありがたいです。透明なガラスの器に入れて3つくらい並べて置いても素敵だと思います。自宅で育てるならベッドサイドに置くのもいいかも。水がなくなったら足すだけという簡単なケアで済むのなら、家の中のいろんな場所に点在させられますよね。

「&Green」は、ビギナーでも育てられるという安心感がありますよね。一時期盆栽を育てていたのですが、出張が多いので毎日水やりをしないといけないのが難しかったんです。熱帯原産が多い観葉植物は、少しお世話ができなくても育ってくれるところも魅力です。
忙しい人が多い今の時代、「枯らしてしまうかも」と気をもむのも疲れてしまうもの。だからこそ、家で楽しむ植物には、時間の余裕がない日々でも自分なりに育てられる丈夫さが必要なのでは。愛しくて且つ強い植物が家にいるっていいですよね。

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