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WaterAid Japanへ寄付のご報告

WaterAid Japanへ寄付のご報告

&Greenでは2023年1月から、2023年6月までの売り上げの一部を、ウォーターエイドジャパンに寄付をいたしました。

 &Greenの植物は生産の際、常に水を流しながら水分を吸収させています。実はこの水、そのまま使って流してしまうのではなく、一部循環をさせ入れ替えながら再利用をしています。
 ウォーターエイドが支援するインドでは排水から再び使用できる水へ、循環させるシステムを導入する取り組みを行っています。そのシステムでは植物が排水を浄化させる役割を担っているそうです。
 4回目となる今回は、水問題を抱えるインドでの、&Greenの水の循環とも通ずる取り組みをご紹介します。

ウォーターエイドのインドにおける活動―「しくみ」を作り、「モデル」を示す

 驚異的な勢いで成長を続けるインド。一方、インドはその急速な成長の陰で、人々の生命を脅かすほどの水危機に直面しています。インド政府のシンクタンクであるNiti Aayog が発表した「複合水管理指標2018」によると、現在、およそ6 億人が水不足の状況にあり、干ばつによる水源の枯渇、水資源保全の遅れ、水道管や手押しポンプ式井戸といった給水設備の故障、ヒ素やフッ化物、海水による水質汚染など、さまざまな水問題が発生しています。

夏に干上がった井戸。住民は近隣の村に水くみに行くか、給水車から水を買うしかない(マディヤ・プラデシュ州)
WaterAid/ Prashanth Vishwanathan

 特に最近は、気候変動の影響を受けて、インド各地で地下水の急激な減少が顕著です。インドでは人口の80%が地下水を飲用として利用しており、このまま地下水が減り続けると、2030 年までに飲料水を入手できなくなる人の割合が人口の約40%にのぼると予測されています。この状況を受けて、インド政府は2024 年までにすべての農村部の家庭で水道を利用できるようにすると宣言し、各地で給水設備の設置・修復、雨水の貯留、地下水保全の取り組みを強化しています。

 ウォーターエイドは1984年からインドにおける活動を開始。現地政府や住民が主体となって、地域の水・衛生問題を解決していくよう、そのしくみ・体制づくりを支援してきました。2022年度は、11州59県の26万人に清潔な水を、23万人に適切なトイレを届け、34万人を対象に衛生習慣の促進を行いました。

村水衛生委員会・水質管理体制の強化

 インド政府が推進する水の取り組みについて、本来、これをけん引するのは村ごとに設置された「村水衛生委員会」です。この委員会は、村の水・衛生に関する課題を把握・分析したうえで、住民参加型の話し合いを経て水・衛生改善計画を策定し、政府から予算を確保して計画を実行する役割を担っています。ところが、実際にはこの委員会が機能していないことが少なくありません。そもそも委員会が自分たちの役割と責任を理解していない場合もあれば、知識やスキルが不足していて計画を策定できない、どのような給水設備を作ればよいかわからない、誰に支援を要請すればよいかわからないといったような理由から、村の水問題が解決されずに放置されているケースが多くあります。

水質検査を行うユースグループ(デリー)
WaterAid/ Srishti Bhardwaj

 ウォーターエイドはこうした状況を改善するため、村水衛生委員会を対象にトレーニングを実施するとともに、村水衛生委員会を支える体制作りにも取り組んでいます。例えば、地下水の汚染が発生している地域では、村水衛生委員会が個々の給水設備の水質を把握したうえで、どの給水設備を修理し、どこに新しい給水設備を設置するかを決める必要があります。ウォーターエイドはこうした地域で、その地域内にある各村の女性や若者が参加するボランティアグループを立ち上げ、地域の水問題や、フィールド用水質検査キットを用いた水質検査の方法に関するトレーニングを実施しています。

 これらのトレーニングの後、女性・ユースボランティアが主体となって、それぞれの村にある手押しポンプ式井戸など、すべての給水設備について水質検査を実施・記録し、そのデータをもとに村水衛生委員会と住民が話し合います。また、地下水が減少している地域では、地域の人々を水文専門家(地域の水循環について把握している専門家)として育成する研修を実施しました。研修を受けた地域の水文専門家は、村水衛生委員会が議論しながら、地下水保全を実施する場所や適切な手法を検討して決定しました。

水質検査を担当する村の女性たち(インド チャッティースガル州カンケール県)
WaterAid Japan

 今年9月、ウォーターエイドジャパンのスタッフは、インド中部にあるチャッティースガル州カンケール県を訪問し、ウォーターエイドが支援を続けてきた村で、村水衛生委員会のメンバー、水質検査を担当する女性グループのメンバーに会いました。トレーニングを受けて、清潔な水とトイレ、衛生習慣が住民の健康のために重要であることを認識し、それを村のなかで広めていくという自分たちの役割について理解を深めたメンバーたちは、訪問者である私たちに対して、誇りをもって自分たちの役割を説明してくれました。強い使命感にあふれるその言葉を聞き、このコミュニティが今後、地域の水・衛生の改善を成し遂げ、カンケール県、さらにはチャッティースガル州の「見本」となっていくだろうと期待がふくらみました。

排水を安全に処理し、衛生環境と地下水を改善

 ウォーターエイドは、村水衛生委員会の強化と並行して、地域に合った給水設備の建設や地下水かん養の取り組みを導入し、それを「モデル」として他の地域にも普及させる活動をインド各地で進めています。特に近年、インド各地で地下水が急激に減っていることを受けて、ウォーターエイドは地域の地下水を増やすさまざまな取り組みにも注力しています。そのひとつが、雨水や家庭・学校から出る排水を地下に戻すしくみを構築し、それを「モデル」として現地政府や近隣の村水衛生委員会に広めていくという方法です。

学校に設置した排水管理システム(インド チャッティースガル州カンケール県)
WaterAid Japan

 例えば家庭や学校の手洗い場やキッチンから出る排水は、そのまま放置しておいては、地域の衛生環境の悪化につながります。一方、排水を処理して、河川や地下に戻せば、それは貴重な水資源となります。適切に排水を処理することで、衛生環境改善と水資源保全が可能になると言えます。

 写真は、チャッティースガル州の学校に設置された排水管理システムです。この学校の手洗い場やキッチンから出た排水は、溝を通って学校裏庭の地下にある沈殿槽に流れこみ、そこで固形物が沈殿します。上澄みの水は、植物が植えられた石の層に移動。植物の浄化能力によって、汚濁物質が取り除かれます。この学校では、このように処理した水を、庭の植物への水まきに使ったり、地下水を増やすために地下に戻したりしています。

学校に設置した排水管理システム(インド チャッティースガル州カンケール県)
WaterAid Japan

 この学校でも、別の学校でも、私たちが訪問すると、子供たちが学校で学んだ手洗いの仕方を披露してくれたり、学校での衛生環境向上の取り組みを教えてくれたりしました。ウォーターエイドは、地域の子供たちが「チェンジエージェント」(変革を促進する人)となり、地域の水・衛生を変えていくことを目指しています。

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特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
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 植物が排水を浄化させ、また植物への水やりの水や地下水源に変える一端を担っているなんて、すばらしいことだと思いませんか?また持続的な問題解決には人の意識や行動を変える必要があり、ウォーターエイドがそのための仕組みづくりに取り組んでいることを学びました。みなさまにも&Greenを通して、さまざまな変化がうまれると嬉しく思います。

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