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日本自然保護協会へ寄付のご報告

日本自然保護協会へ寄付のご報告

&Greenでは2023年7月から、2023年12月までの売り上げの一部を、日本自然保護協会に寄付をいたしました。

水を育む日本の自然と生態系を守る日本自然保護協会。&Greenの寄付も4回目となりました。2022年秋にご紹介した活動のひとつ「赤谷プロジェクト」が20周年を迎えましたので、今回はこのプロジェクトにフォーカスしてご活動内容をご紹介します。
皆さまのお手元にある&Greenが、日本の生態系を守る活動と繋がっているかも…と思いを馳せてご覧ください。

「赤谷プロジェクト」20周年

日本自然保護協会は2003年から、群馬県みなかみ町と新潟県の県境に広がる国有林“赤谷の森”で、林野庁や地域の方々とともに、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進める「赤谷プロジェクト」に取り組んでいます。

取り組みを始めてから20周年の節目を迎え、多くの方に活動を知っていただきたいとの願いを込めて、これまでの成果をご紹介します。

赤谷の森の風景

赤谷の森は、利根川源流部の重要な水源地であり、猛禽類をはじめとするさまざまな野生動物の生息地になっています。その一方で、人々が利用する薪炭林や人工林などがあり、地域住民とも密接に関わってきました。そのため「赤谷プロジェクト」では、「生物多様性の復元」と「持続的な地域づくり」の2点を目指し、活動しています。

プロジェクトの実施にあたっては、地域住民で組織する協議会、林野庁、当会の3者共同運営のもと、専門機関やボランティアサポーターによって支えられています。科学的根拠に基づく管理も行っており、「自然環境モニタリング会議」を中心に、課題ごとに専門家や実務担当者で組織するワーキンググループ(以下WG)を設置しています。WGは、「植生管理」「猛禽類モニタリング」「哺乳類モニタリング」「渓流環境復元」「環境教育」「地域づくり」の6種類です。

赤谷の森の風景

① 植生管理WG

スギなどの人工林を、ブナをはじめとした広葉樹が中心の本来の森に戻す活動を行っています。これまでに、人工林における広葉樹の侵入度合いの調査、赤谷の森の潜在自然植生の推定などを行ってきました。今後は、広葉樹の保残を意識した間伐を行い、混交した人工林については自然の推移にゆだねるかを検討するなど、これまでの調査結果を踏まえた取り組みを進めていきます。

② 猛禽類モニタリングWG

生態系ピラミッドの頂点に位置し、赤谷の森の生物多様性の指標となるイヌワシ・クマタカを調査しています。クマタカは概ね2年に1度子育てに成功し、比較的良好な生育環境が維持されているのに対し、イヌワシは2010年度から3年連続で繁殖が失敗したことが分かりました。要因には伐採地や幼齢林の減少によって狩りをする場所が少なくなったことが考えられることから、2015年度から継続的な伐採を実施。その結果、2016年度以降に3回繁殖が成功し、繁殖が失敗した年でも抱卵が確認できるなど、繁殖環境の改善が明らかになっています。

赤谷の森で使われなくなった人工林を伐採しイヌワシの狩場を創出している現場

③ 哺乳類モニタリングWG

ニホンジカの低密度管理に取り組んでおり、生息状況のモニタリング調査や、生息頭数が少ない環境下での効果的な捕獲手法の検討を行っています。2022年度からは赤外線センサーによる自動捕獲装置や、罠の作動を伝達する通信システムなどを導入。これらの取り組みで得られた情報は、みなかみ町全域のニホンジカ対策にも役立てられています。引き続き、町や地域協議会とも連携した取り組みを進めていきます。

センサーカメラに写った鉱塩に誘引されたニホンジカ

④ 渓流環境復元WG

2009年に茂倉沢で実施された治山工事において、生物多様性保全に基づいた施工を行いました。工事の結果、防災上の安全が担保されつつ、生態系の連続性が回復している事が分かり、防災面と生態面の両方を重視し、バランスをとって事業を進めていった効果が得られていると評価されました。

渓流の多様な生息環境が保てるようダムの中央部を撤去

⑤ 環境教育WG

プロジェクトを理解し、協力してくださる人を増やしていくため、小学生などを対象とした環境教育を行っています。中でも、みなかみ町の新治小学校では、「赤谷の森体験学習」を継続的に実施しています。

子どもたちへの自然観察会と環境教育活動

⑥ 地域づくりWG

地域の人々が自然の恵みをうまく活用できるようにするため、活動しています。これまでに、家具材の材料となる桐を植栽し、生育状況を検証しました。また、イヌワシの狩場を作るために伐採した人工林のスギは、地元の宿泊施設のカウンターに用いられたほか、アロマオイルやハンドクリーム、クラフトビールなどに活用を広げています。

これらの「赤谷プロジェクト」の活動がもととなり、2017年にみなかみ町が「ユネスコエコパーク」に登録されました。2023年には「みなかみ町・三菱地所株式会社・日本自然保護協会による連携協定」が締結されるなど、新たな発展も生まれています。

また、2024年2月に開催した「赤谷プロジェクト20周年記念報告会」では、活動の振り返りと今後の展望を地域の皆さまに発信しました。当日は、6つの小学校による環境学習発表会も開催され、口頭発表やポスター展示が行われるなど、地域の環境教育にも活かされるようになってきました。

赤谷の森の風景

このように「赤谷プロジェクト」は、20年間でさまざまな成果を得ましたが、2つの目標はまだ道半ばです。今後も、地域本来の多種多様な生物が生息できる環境づくりと、その恩恵による地域の暮らしの発展に寄与していけるよう、地元みなかみ町の方々をはじめ、プロジェクトに賛同いただける多くの方々と連携を図りながら進めていきたいと思います。

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公益財団法人 日本自然保護協会
https://www.nacsj.or.jp/
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赤谷プロジェクトの地域協議会

地域協議会は赤谷プロジェクトに地元住民が参加する際の受け皿となっている任意団体です。地域の皆様に対し「生態系サービスの恵みを受けて生活をしているという意識を高めていくこと」を目指して地道な活動を続けています。

&Greenでお話を伺った、群馬県みなかみ町発のエッセンシャルオイルブランド「Licca(リッカ)」の長壁ご夫妻は、地域協議会メンバーとして活動しています。日本自然保護協会を通じて&Greenとのお取組みが始まりました。
みなかみ町での暮らし、長壁ご夫妻の想いがつまったインタビューはこちらからご覧ください。
また「Licca」のエッセンシャルオイル、アロマディフューザーを&Greenでお買い求めいただけます。間伐材を使用し精製した森の力を感じる香りを、&Greenと並べてお楽しみください。Licca ProductはPot&Goodsからご覧いただけます。

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