
&Greenでは2024年1月から、2024年6月までの売り上げの一部を、ウォーターエイドジャパンに寄付をいたしました。
&Greenが2022年から寄付を続けているウォーターエイドでは、近年、保健医療施設における水・衛生の状況改善に力を入れています。最貧国のひとつに数えられるモザンビーク北部のニアサ州クアンバ郡でのご活動内容について、昨年から2回にわたって皆さまにお届けしています。
2023年のご活動報告はこちら
2024年3月のご活動報告はこちら
過去の記事でお伝えしてきた診療所における衛生設備の設置について、ついに完成しましたので今回はそのご報告とその他の進捗状況についてレポートいたします。
「人々の健康を守る病院や診療所に “命の水”を届ける」モザンビークの保健医療施設における水・衛生プロジェクト進捗報告
このプロジェクトは、ニアサ州クアンバ郡のなかで最も水・衛生が行き届いていない保健医療施設5か所(マラパ、メペセネ、ナパカラ、エタタラ、メリポの各村の保健医療施設)を対象とし、給水システムとトイレの設置、衛生習慣の普及を通して、地域の人々が安心して医療サービスを受け、健康な生活を送れるようになることを目指しています。また、この取り組みを「モデル」として、保健医療施設の水・衛生状況の改善に注力するよう現地政府に働きかけることも目的としています。
① 衛生設備の修理、設置が完了
給水システムが完成したマラパ保健センターの様子(WaterAid/ Ricardo Franco)
本プロジェクトの中間年となる2023年度、対象の保健医療施設5か所で、給水システムの建設・修理、トイレと手洗い設備の設置がすべて完了しました。これによって、住民11,142人が、5か所の保健医療施設で、水とトイレ、手洗い設備を利用できるようになりました。
こうした設備の設計にあたっては、出産などで保健医療施設の水・衛生環境の影響を大きく受ける女性たちや障害を持つ人々のニーズが反映されるよう、現地の女性の地位向上に取り組む団体FOFeN(the Forum of Feminist Organisations)ならびに障害者団体ADEMO(the Association of Disabled People in Mozambique)と連携しながら計画の策定を進めました。
完成した給水設備を示すエステバン医師 (WaterAid/ Ricardo Franco)
この地域のエタタラ保健センターで働くエステバン・マヌエル・ダヴィド医師(33歳)。これまで、エタタラ保健センターでは、敷地内で清潔な水を入手することができなかったため、エステバン医師は、医師としての職務を行うことが非常に難しい状況にありました。
「家族はいますが、遠くに住んでいて、私はここで一人暮らしをしています。仕事柄、保健センターの近くにいる必要があるので。いつでも、どんな時でも、診察が必要な患者さんがいますから。今は、夜が明けて、すでに消毒用の水があるので、すぐに仕事を始めることができるようになりました。以前は、水をくむために2キロ以上離れた場所に行かなければならず、しかもそれは飲用には適さない水でした。保健センターに新しい水道が設置されたことで、多くのことが変わりました。(中略)以前は、家に帰るまで、手を洗うことはできませんでした。でも今は違います。患者さんと接触するたびに手を洗い、そして次の患者さんを診察することができるのです。」
② 水委員会での研修・水利用料金の決定
新しいトイレ施設(WaterAid/ Ricardo Franco)
また、給水設備とトイレが完成した後も設備が適切に維持管理されるよう、様々な取り組みに着手しました。住民60人(うち約半数が女性)が水委員会のメンバーに立候補し、保健医療施設に設置された給水システムの維持管理に関する研修を受けました。水委員会のメンバーは、給水システムを管理する担当として選定された民間事業者が、その責任を果たしているかどうかをモニタリングする役割も担う予定です。
また、給水システムの修理やメンテナンスには、資金が必要です。ウォーターエイドは、水利用料金について話し合い、決定するためのワークショップを開催。住民、現地政府関係者、民間事業者など37人が参加し、話し合いによって、共同の水くみ場を利用する場合は、月に50メティカル(日本円で約112円)、家に水道が接続されている場合は、月に200メティカル(日本円で約448円)を、水利用料として住民が支払うことに決定しました。この料金決定には、住民の意見がしっかり反映され、手頃な価格を設定しました。
二次貯水池と給水塔(WaterAid/ Ricardo Franco)
③ 必要な部品や道具を地元で流通させる取り組み
さらに、給水システムの維持管理が持続していくためには、修理に必要な道具や部品が、いつでも近くで、かつ手ごろな価格で入手できることが重要です。一方、この地域では入手できない部品・道具が多く、その場合、車で丸1日かかるナンプラなどの都市からこうした道具・部品を運んでこなければならず、修理までに長い時間を要していました。
そこでウォーターエイドは、新しい給水システムの交換部品や道具を地元で流通・販売させる取り組みに着手しました。この取り組み開始のワークショップには、地元企業含め、43人が参加し、部品・道具が地域で流通することの重要性について話し合いました。今後、地域の企業家たちが、給水システムの維持管理に必要な部品・道具などを供給するビジネスを始めることが期待されています。
井戸の修理をするマリアさん(WaterAid/ Ricardo Franco)
このワークショップに参加したマリアさんは、マラパ出身の企業家であり、元ポルトガル語教師でもあります。マリアさんは、給水システムを修理するための工具や部品の使い方の訓練を受け、自分の店で交換部品を販売する予定です。
「今年は、(以前からあった)井戸がすべて壊れ、さらには雨もあまり降っていません。水不足です。水がなければ何もできないので心配です。私はこの地域を愛しています。だから、私はこの地域を立ち直らせ、ここの人々がよりよく暮らせるように手助けしたいのです。私の夢は、村に水があって、みんなが幸せになることです。掘削井戸が壊れても、交換部品があれば、井戸をすぐ修理することができ、私たちは困窮することがなくなります。」
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特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
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完成した設備や、継続して利用することができる仕組みの構築で、住民の健康を守る医療施設に「命の水」が届くようになりました。皆さまの中でも水を大切に使う想いが深まると、&Greenのお世話だけではなく日々の暮らしがより大切なものになっていくかもしれません。