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日本自然保護協会へ寄付のご報告

日本自然保護協会へ寄付のご報告

&Greenでは2024年7月から、2024年12月までの売り上げの一部を、日本自然保護協会に寄付をいたしました。

&Greenでは2022年に、&Greenの寄付につながる活動として日本自然保護協会の「赤谷プロジェクト」「全国砂浜ムーブメント」をご紹介しました。

2022年のご活動報告はこちら
2024年4月のご活動報告はこちら

今回は、「全国砂浜ムーブメント」についての過去5年間の実績を振り返ったレポートをご紹介します。

「全国砂浜ムーブメント」参加者累計170万人!5年間の活動

日本自然保護協会では、多くの企業や団体、市民の皆さまと連携して、自然海岸の減少や海ごみの問題など、海や砂浜が直面している課題の解決を目指し「全国砂浜ムーブメント」を開催してきました。2019年から2023年の5年間の活動についてご報告いたします。

砂浜を見る目を増やす

砂浜ムーブメントでは、「砂浜を守る3つのアクション」を呼びかけ、5年間で累計170万人以上の方に教育ツールやアプリを活用いただくことができました(表1)。砂浜の環境教育ツールは世界的に見ても少なく、砂浜ノートを作成するところからのスタートでしたが、3つのアクションの相乗効果により、ごみ拾いの活動はしていたけれど、砂浜の自然環境や生きものにふれることのなかったという方にもご参加いただくことができました。

「愛され砂浜」TOP5

自然は気付いたらなくなっていることもあります。見守る人は大切です。そこで5年間でたくさんの方がアクションをしてくださった砂浜を「愛され砂浜」としてランキングしました。スマートフォンアプリ(BIOME)を使った生きものしらべでは、砂浜とその周辺で見られた多様でユニークな生きものデータが寄せられました。小さな砂浜なのに生物種数が多かったり、逆に広大な砂浜なのに生物種数が少ないなど、砂浜ごとに特徴も見られました。(表3)

植物群落からわかる陸から海の連続性

さらに、スマートフォンアプリ(BIOME)を通して寄せられた海岸植物約1万件のデータついて、海岸研究者の清野聡子先生(九州大学工学研究院 環境社会部門 准教授)と代表的な種類を選定。約5000件のデータを抽出し、複数年で見ることで推測できることをまとめました。

砂浜は、風や潮汐の影響で常に変化する環境であるとともに、陸から海へと移行する特殊な場所です。このように海と陸の生態系が連続的に変化する場所は「エコトーン」と呼ばれ、生物多様性が豊かな場所です。特に海岸植物は、内陸側から波打ち際まで、それぞれの環境に適応する植物の種類が変わります。(図②)そこで、海岸植物を指標として〝陸寄り〟と〝海寄り〟に生育する代表的な植物が報告されているか、という観点で、陸から海の連続性を判断しました。その結果、市町村ごとでみてみると、海岸植物の連続性がありそうな地域は約2割でした(図①)。

① 陸から海の連続性がありそうな砂浜っぷ

海岸植物の写真は実際に寄せられたデータ。代表的な種類を一部抜粋して掲載。
※植物の選定には、『日本の海岸植物図鑑』(中西弘樹著)を参考。

海寄りに見られる海岸植物の危機連続性を判断する代表的な植物の報告が一定数揃わなかった市町村の多くは、陸寄りの植物よりも海寄りの植物が少ない状況でした。これらの市町村では、海寄りの中でも砂の動きが激しく波打ち際付近に生育するコウボウムギやハマニガナの報告が少ない傾向がみられました。どちらも代表的な海岸植物ですが、都道府県レベルでは絶滅危惧種のところもあります。今後、気候変動による海面上昇などの影響も懸念されます。

② 砂浜断面図

砂浜を断面から見た図。比較的安定した場所に生育するハマゴウから内陸側が陸寄り植物、海側が海寄り植物。コウボウムギの生育するゾーンが消失していると推測される。(提供:NPO法人表浜ネットワーク)

境遇によらず体験を届ける必要性

また、活動の中で聞こえてきたのは、「海や砂浜での過ごし方が分からない」という声。そして、子どもの自然体験格差でした。そこで2020年からは、ひとり親家庭の親子を対象にした砂浜教室にも力を入れました。「砂浜はごみを拾う場所のように感じていたけれど、生きものがたくさんで驚いた」「子どもを海辺に連れて行きたいけれど、安全面や交通手段などの問題から難しい」といった声は多く、現代の子どもたちの海や砂浜への関心度や体験の格差の実態を強く感じました。

ひとり親家庭の親子を対象にした砂浜教室。

全国砂浜ムーブメントでは、本当にたくさんの方が砂浜に目を向けてくださいました。引き続き、砂浜を見守り、その魅力や大切さに気づいてくださると嬉しいです。「砂浜を守るためにできること」コラムなど、砂浜ムーブメント特設サイトで近日に公表予定です。

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公益財団法人 日本自然保護協会
https://www.nacsj.or.jp/
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皆さんがお住まいのお近くの砂浜は「陸から海の連続性」がある砂浜でしょうか?昨年ご紹介した赤谷プロジェクト、今回の砂浜ムーブメントでも、山や海に生息する動植物を調査することで、日本の自然の危機状況を垣間見ることができます。
&Greenの植物を迎えることが、身近な自然環境の現状を知るきっかけになればと願っています。

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