植物のある暮らしの魅力を伝えながら、社会や環境との関わりを考えるきっかけとなるブランドにしていきたい。そんな思いから生まれた&Green。プロダクトを語る上で切り離せない「水」を起点に、&Greenを手にしていただくことで、自然や社会に目を向ける一つのきっかけになればと考えています。
&Greenではブランドがスタートした2021年10月から、2021年12月までの売り上げの一部を、ウォーターエイドジャパンに寄付をいたしました。
皆さまのご購入が、水環境を守る活動へとつながっていくことを感じ、世界の実情やウォーターエイドのご活動を知るきっかけになれば、&Greenも嬉しく思います。
ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立され、約40年間にわたって、水・衛生分野に特化して活動してきた国際NGOです。2021年現在、世界34か国に拠点を置き、アジア、アフリカ、中南米など計26か国で水・衛生プロジェクトを実施しています。水・衛生分野の専門性を活かし、各国の貧困層や取り残されがちな人々が清潔な水を利用し、手洗い等の衛生習慣を実践することができるよう、現地に最も適した解決策を実行しています。
安心して手洗いができる環境を
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症の流行を「パンデミック」であると宣言してから、2022年3月で2年になります。今回は、2年前に新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が始まって以降、ウォーターエイドが実施した活動の一部をご紹介します。
水と石けんを使って頻繁に手を洗うことは、新型コロナウイルスを含む感染症の流行を防ぐ最も重要な方法の1つです。しかしウォーターエイドが活動する多くの国では、手洗いのための設備が家にも学校にも、診療所などの保健医療施設にもなく、また、手洗いの大切さや正しい手洗いの方法が広く知られているとは言えません。
2020年3月当時、水と石けんが使える手洗い設備を利用できない人口の割合は、バングラデシュで65%、エチオピアで92%にのぼりました。また、感染予防の最前線である保健医療施設の半数に、清潔な水と石けんが備わった手洗い設備がありませんでした。
ウォーターエイドは、40年間、水・衛生専門に活動してきたNGOとして、2020年3月より、新型コロナウイルス感染症対応の活動を開始。アジア、アフリカ、中南米、太平洋地域の26か国において、主に次の活動を実施しました。
① 手洗い設備の設置
保健医療施設や駅、バスターミナル、市場など人が多く集まる場所、都市部の人口が密集している地域やインフラ整備が進んでいない農村部において、感染症予防のために手洗いができるよう、手洗い設備を設置しました。手洗い設備を使うことで感染が広がることがないよう、ペダルで水や石けんを出すことができる「足踏み式手洗い設備」を積極的に導入しました。
② 適切な衛生習慣の普及促進
ラジオ、村に設置されているスピーカー、看板、ポスターなど、国・地域、社会、文化に合ったツールや発信方法を用い、正しい手洗い習慣や対人距離を保つなど感染症を防ぐ行動を促す大規模な啓発キャンペーンを実施しました。
バングラデシュでの活動
障害者や貧困層等、最も脆弱な状況にある人々が感染症から身を守ることができるよう、手話を使った手洗い啓発ビデオの作成、車いすで利用可能な手洗い設備の設置など、さまざまなニーズに対応した水・衛生の取り組みを進めました。
ウォーターエイドの活動国の1つバングラデシュでは、新型コロナウイルス感染症対応として、具体的に次のような活動に取り組みました。
① 手洗い設備の設置・マニュアル策定による普及
ウォーターエイドは、19県を対象に活動。家庭や学校、保健医療施設、スラム、低所得者層のコミュニティ、衣料品工場、ジュート工場、市場や鉄道駅などに、それぞれの状況に合った手洗い設備を設置しました。一例として、ウォーターエイドは、2020年10月26日から11月25日までの1か月間に、家庭用6,140基、コミュニティで16基、保健医療施設で234基の手洗い設備を設置。その後もニーズに応じて手洗い設備の設置を進めました。
また、パートナーNGO、ソーシャルワーカー、地元の起業家の支援を受けて、公共スペース用、家庭用など、さまざまなタイプの手洗い設備を設計しました。それらをまとめたマニュアル(都市部用・農村部用)を作成し、公開しました。
② 公共施設や市場、居住地域における消毒作業
南北ダッカ市やクルナ市、チッタゴン市と連携し、コミュニティボランティアによる消毒作業をサポートしました。ボランティアが安全に作業できるよう、事前にトレーニングを行い、マスクや手袋、洗剤、スプレー機などの用具を提供。ボランティアメンバーが、トイレや水くみ場の清掃や消毒作業、石けんの補充などを行いました。
③ 様々な方法で衛生習慣と感染予防を啓発
バングラデシュで新型コロナウイルス感染症が初めて確認された2020年3月、「#FightCoronaUnitedキャンペーン」を開始しました。正しい衛生習慣を伝えるポスターや看板を市場やバス停、警察署、地方官庁、モスクや寺院の付近などに設置。また、コミュニティ内を拡声器の付いたバイクで巡回し、注意喚起と衛生習慣の啓発を行いました。また啓発素材として、歌や映像も制作し、テレビ、ラジオ、ソーシャルメディアなどを通してより多くの人々に向けた情報発信に注力しました。
④ 誰もが手洗いを実践できるように
2020年12月12日には、在バングラデシュ・スウェーデン大使館およびダッカ上下水道公社と協力して、移動式の手洗い設備「Handwashing on Wheels」を始動しました。この移動式手洗い設備は、3輪自転車を利用したもので、後部の屋根付きの荷台に複数のシンクと液体石けん、水の入ったタンクが装備されています。同月、国内に367台が導入されました。リキシャや公共交通機関の運転手や水上生活者、露店商人など、移動することが多い人々が安心して手洗いを実践し、感染予防に取り組むことを目指しました。
-----------------
特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
-----------------
日本では誰もが手洗いで感染対策をしていますが、それが当たり前にできない人たちがいるということ。様々な国で支援をしているウォーターエイドもご活動が一部制限せざるを得ない状況で、安心して手洗いができる水環境を整備されていることを知ることができました。今後のご活動にも注目していき、&Greenを通じて皆さまにもお伝えできればと考えています。