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WaterAid Japanへ寄付のご報告

WaterAid Japanへ寄付のご報告

&Greenでは2022年1月から、2022年6月までの売り上げの一部を、ウォーターエイドジャパンに寄付をいたしました。

 植物も、ひとも、生きていくうえで欠かせない水。しかし必ずしも恵みをもたらすだけではありません。日本でも毎年のように豪雨に襲われるなど、時として脅威になる存在でもあります。気候変動は自然の生態系に悪影響を及ぼすと考えられ、世界的に大きな課題とされています。2回目の寄付となる今回、「気候変動と水」という視点で、水に纏わる災害の実情、ウォーターエイドが取り組んでいるさまざまな活動についてご紹介します。

予測不可能な干ばつ、サイクロン、洪水― 気候危機にさらされる人に清潔な水とトイレを

 現時点における気候変動のシナリオでは、2030年までに、一部の乾燥地帯や半乾燥地帯で水不足が深刻化し、いま住んでいる地域に住めなくなる人が、2,400万~7億人にのぼると言われています。また、現在、世界で約40億人が、1年のうちに最低1か月間、深刻な水不足に直面する地域に住んでいると言われています。
 ウォーターエイドが活動するコミュニティの人々にとって、気候変動の影響は、将来起きうることではなく、今すでに起きていることです。水不足、洪水、干ばつ、海面上昇などの気候変動の影響を受け、生活が困窮化しています。

ブルキナファソ:干ばつにより干上がったダム
WaterAid/ Basile Ouedraogo

干ばつ・熱波

干ばつが来れば、人々は水を探してさらに遠くまで歩かねばなりません。水くみを担うのは多くの場合、女性や女の子たちです。また、水不足のため農作物が収穫できなくなり、食料難にもつながります。

豪雨・サイクロン

サイクロンや暴風雨により給水設備やトイレが破壊されてしまうだけでなく、洪水が起これば排せつ物があふれ、周辺環境や水源が汚染されて下痢など感染症がまん延してしまいます。

海面上昇

高潮によってコミュニティが海水に浸ったり、地下水減少によって海水が地下に入り込むことで、ため池などの水源や地下水の塩分濃度が上がり、安全な水が得られなくなります。その水を飲み続けると健康に影響が出ることもあります。

パキスタンの洪水被害

 ウォーターエイドの活動国のひとつであるパキスタンでは、2022年6月中旬から続く豪雨によって各地で洪水が発生し、多くの市民が命を落とし、甚大な被害に見舞われています。被災した住民は、洪水で汚染された不衛生な水を飲むしかなく、また、安全で清潔なトイレを利用すること、手洗い等の衛生習慣を実践することも困難であるため、下痢や赤痢などの感染症がまん延する深刻なリスクに直面しています。また仮設トイレはほとんど覆われておらず、女性が月経に対応するために必要なプライバシーが確保されていません。

パキスタンの洪水の被災地
WaterAid/ Xulfi Panhwar

マラウイのサイクロン被害

 大きなサイクロン被害を受けた南部アフリカの小国マラウイ。この国では、3人に1人が清潔な水を利用できず、人口の半分の人々が適切なトイレを利用できません。

サイクロンによって破壊されたトイレの前に立つメアリーさん
WaterAid/ Francis Chipanda

メアリーさん(54歳)
「ここ数年、天候が変化していることに気づきました。(本来雨期が始まる)11月に雨が降らず、1月まで農作業をするのを待たなければなりませんでした。そして、雨が降り始めると、その雨は非常に激しく、破壊的なものでした」

水くみに向かうアイビーさん
WaterAid/ Francis Chipanda

アイビーさん(15歳)
サイクロンの影響で、自宅でも学校でも清潔な水が利用できなくなってしまったアイビーさん。登校時は飲み水の入ったボトルを持参し、トイレや掃除用の水をワニが生息する濁った小川までくみに行かなくてはなりません 。
「家では水くみのために多くの時間を費やし、その分、学校の勉強に使える貴重な時間が削られてしまいます。災害にも強い給水設備やトイレがあれば、 勉強に集中することができます」

気候変動の危機にさらされる人々の暮らしと命を守るウォーターエイドの取り組み

 ウォーターエイドは、気候変動の影響を受けるコミュニティの人々に寄り添い、どんな状況下においても人々が清潔な水やトイレを利用できるように支援活動を展開しています。

パキスタンの洪水の被災地における緊急支援

 2022年6月中旬から続く豪雨による洪水の被害に際し、ウォーターエイドは、これまで活動してきた地域が大きく被害を受けていること、また、被災した人々の健康と命を守るために、水・衛生が不可欠であることから、緊急支援を展開しています。給水車による給水活動、学校やキャンプでの仮設トイレの建設、洪水の排水、水の浄化剤や水を運ぶタンクの配布を実施しました。ナプキンや下着、石けんなどの衛生キットの配布による女性への支援も行っています。さらに、衛生行動促進の講習会の実施、修復が必要な水・衛生設備の調査・点検、コミュニティと政府の調整などを実施しています。

中長期的な水・衛生支援

 コミュニティの人々が異常気象に見舞われた際にも、安全な水・衛生システムを維持できるように、それぞれの地域におけるぜい弱性を分析し、適切な技術を導入したり、持続可能な方法で水・衛生のしくみを維持・管理していくことができるように、維持管理体制を整えたりする支援を実施しています。

<活動事例① バングラデシュ>
 人口の3分の2は海抜5メートル以下の土地に暮らしていて、洪水や高潮による冠水、サイクロン、気温上昇などの危険にさらされているバングラデシュ。海面上昇によって地下水の塩水化が進んでいる地域では、清潔な水の確保がますます困難になっています。ウォーターエイドは気候変動に特にぜい弱な沿岸地域と低湿地帯のコミュニティに、パイプ給水システムや雨水活用設備など複数の技術を導入。給水設備・トイレを設置する際には、洪水から守るためにかさ上げする、海水や強風に強い構造にするなどの工夫を講じました。さらに、コミュニティ内に委員会を立ち上げ、委員会メンバーは、これらの設備を持続的に管理していくために必要な知識を習得しました。

バングラデシュ:自宅の中庭に新設した雨水貯留タンクで雨水を集める
WaterAid/ DRIK/ Habibul Haque

<活動事例② マリ>
 気候変動の影響を最も受けやすい国のひとつであるマリ共和国。中央部に位置するカクヌソ村では、雨期が終わると水が干上がり、女性たちは収入源である農作業が出来なくなってしまいました。そこで、ウォーターエイドは現地パートナーと連携し、飲用と農業用の持続可能で安全な給水設備を設置。また、水資源を持続可能に確保することを目的として、村の女性たちに対して降雨量や井戸水の水位、水の使用量のモニタリング・管理の研修を実施しました。計画的に水を確保し利用することで、今では乾期にも作物を育てることができるようになりました。

マリ:作物を育てることができるようになった村の女性たち
WaterAid/ Basile Ouedraogo

 気候変動による影響は、適切な水資源管理が行われ、災害に強い給水設備・衛生設備が整備されていれば、ある程度軽減されます。ウォーターエイドは、気候変動にぜい弱なコミュニティを対象に、水・衛生プロジェクトを実施し、コミュニティレベルで気候変動の影響に対するレジリエンスを高めることを目指しています。

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特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
https://www.wateraid.org/jp/
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 気候変動による災害はいつ起こるか分かりませんし、今後もっと増えるかもしれません。技術の導入、持続可能な管理体制の構築といったご活動が、予測が難しい気候災害への備えが、命や人権を守ることになると学びました。気候変動は世界規模での課題ということを、改めて皆さまと認識を共有し、日々の暮らしの中で少しずつ考動していければと考えています。

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