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&Greenスペシャルインタビュー#02 シンプルに寄り添う(TOKINOHA 清水 友恵/陶芸家)

&Greenスペシャルインタビュー#02 シンプルに寄り添う(TOKINOHA 清水 友恵/陶芸家)

 夫で陶芸家の清水大介氏とともに、新しい陶芸のスタイルを発信し続けるTOKINOHA 清水友恵さん。「小さい頃から植物は大好き」と話す清水友恵さんに、特別にお作りいただいた&Greenオリジナルの器の楽しみ方や、陶芸への想いについて伺いました。

陶芸家になったきっかけと、TOKINOHAについて教えてください。

 小さい頃から毎年家族で行っていた信楽の陶器祭をきっかけに、陶芸に興味を持つようになりました。15歳から本格的に学びを深め、2009年、陶芸家である夫との結婚をきっかけにトキノハ陶房をスタート。名前の由来は、紫がかった桃色を表す「鴇羽(ときのは)色」から。当時の住所に「紫」と「桃」という二つの漢字が入っていたんですよね。2年後、縁あって現在の清水焼団地に拠点を移し今年で10年。陶芸の新しいスタイルを模索しながら、器づくりに励んでいます。

器づくりでこだわっていることは?

 “シンプルであること”です。料理を盛って100点、花を挿して100点、そんな“暮らしに寄り添う器”をめざしています。一時は器を「作品」として考え、より個性的な方へ向かっていたこともありましたが、私たちはアーティストではないんですよね。では「使ってもらえる器ってなんだろう?」と考えたときに、個性はむしろ剥いで、器に入るお料理や植物に寄り添うことが大切なんじゃないかって。お客様が実際に使っている写真をSNSなどにアップしているのを見ると嬉しくなりますね。

オリジナルの器のコンセプトは?

 &Greenは水だけで育てるので器も自由な形が楽しめます。土で育てる場合、根の張り具合を考えると下細りのフォルムは使いにくいこともあるのですが、&Greenならいけるかなって。加えて柔らかいフォルム、やさしい雰囲気が合うと思いこれらの形に辿り着きました。1種ずつ生けられるものと3種の寄せ植え用と。質感も、釉薬の表情がしっかり出るような土を選びざらっと仕上げています。自然を感じる質感と斑模様。まるで苔や石から植物が生えている、そんな世界観で楽しんでいただけると思います。

これから植物との暮らしを始めたいと思っている方にメッセージを。

 私自身小さい頃から植物が好きで、作業場でもドライフラワーを作ったり、グリーンを育てたり、傍らに植物を感じながらお仕事をしています。薄暗く閉鎖的なイメージが強い陶芸の世界ですが、作業場に植物を入れることで働きやすい環境づくりにもつながっています。&Greenなら様々な場所への移動が簡単にできるので、パソコンの横、デスクの上、“癒し”を持ち歩く感覚で傍にいつも植物を感じて。気持ち良さそうな場所があれば移動して、器の表情も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

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TOKINOHAさんプロフィール
清水大介・友恵がそれぞれの作家活動とは別にそれぞれの技術とアイデアを組み合わせたブランドとして2009年に活動を始める。2011年には「生活に寄り添う器」というコンセプトでの器づくりにシフトし京都市山科区に店舗兼工房を開く。作り手と使い手の距離をもっと近くしたいとの想いから、それまで離れた空間にあったショップと工房を一体化し、2021年、TOKINOHA Ceramic Studioをオープン。姉妹ブランド素—siroでは国内外のレストラン向けにオーダメイドでの器づくりも手がける。

清水友恵さま プロフィール
高校時代から陶芸の世界に入り、美大を経て清水焼の絵付けの職人の道へ。絵付けの職人では自分で好きな形を作ることが難しいため、自らで好きな形を作れるよう再びロクロの専門校へ。さらに釉薬の研究をする学校へ2年間通い、幅広い陶芸の技術と知識を獲得。清水大介と共に立ち上げたTOKINOHAではその技術と知識を生かし商品の企画、開発、ディレクション、制作などTOKINOHAの活動のあらゆる面に関わる。
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