スッキリ
モサモサ
ドッシリ
カラフル
シンプル
パターン
「『社会を変える』ではなく、まずは自分を癒してあげること」心地よさから広がる“エシカルの輪”
カラフルな色使いが可愛い、シルクランジェリーブランド「Liv:ra（リブラ）」の下着。デザイナー・小森優美さんの“思い”を叶えられる、環境に優しい「新万葉染め」で染められています。Liv:raの商品は、植物のちからを活かし、また「水」を起点に環境について考えている＆Greenと共通する部分を多く感じます。
後編では、小森さんにエシカルなもの作りを通して分かったこと、未来へ広げていくための考えについて伺いました。
前編 草木染めを通して「自分に優しく、社会に優しく」
シルクランジェリーブランド代表・小森優美の“エシカルなもの作り”
「自分が救われることが社会を変える」エシカルなもの作りを経てわかったこと
エシカルなもの作りを経て気づいたことはありますか？
エシカルなものづくりをしているとはいえ、社会全体への影響はまだほんの少しです。しかし私は自分のものづくりを通して、実際に社会に与えているインパクトよりも、まずは“自分自身が救われていく”ことのほうが価値のあるものだと感じるようになりました。
私はLiv:raの活動を通して「私自身が一番救われている」と思います。草木染めを始めたきっかけは、環境や人権問題に対しての社会的な意味が大きかったです。当時は消費者に今ほどエシカルな意識の高さはなかったため、Liv:raに対して「色落ちするものは受け入れられないよ」と言われることもありました。
ですが愚直に活動を続けていくうちに、徐々に草木染めを受け入れてくれるお客様が増えてきて。色落ちした下着の染め直しができるキットを販売してからは、想像以上に売れて驚きました。ただ商品を作るだけではなく、染め直しを通して草木染めの文化や暮らしの心地よさを伝え、仲間を増やしているような気持ちになりました。染め直しキットだけでなく全ての活動に言えますが、ただものを売っているだけでなく実践者の仲間を増やしているという実感は、私自身を癒し、「救われている」と感じさせてくれます。
この救われていく感覚は、大きな原動力となります。「自分がどうしたいのか」がよりクリアになり、迷いをなくしてくれるんです。この気持ちを感じられることで、社会がよくなるアイデアが一層生み出せると思います。
社会に大きなインパクトを与えることを目的とするのではなく、まずは心地いい実践を続けて自身を肯定し、癒す。そうすることが、社会に真の変革を起こす一歩になるのだと気がつきました。
土を使わずに最小限の水で育てられる&Greenの植物は、Liv:raのもの作りと共通する部分を感じます。環境や人に優しく心地いいアイテムを暮らしに取り入れる良さを教えてください。
心に余裕が持てることですね。心に余裕が持てると、インスピレーションを多く受けられて、ひらめきが増えます。その結果いつもと違う選択ができ、可能性が広がっていくんです。
私も心地よさを日々意識して作るようにしています。特に観葉植物が大好きで！京都に引っ越しをするときも、観葉植物だけで小さいトラック一台が埋まったほど、たくさん育てています（笑）。&Greenの植物も可愛いですね。さまざまな花瓶や鉢を持っているので、お気に入りのものに入れて出窓に飾りたいです。
まずは実践者を増やすこと。心地いい未来を作るための取り組み
今後の展望を教えてください。
社会的課題を超えて地球を再生していく実践者を増やしたいです。持続可能な社会の実現のために世界は消費者だけでなく自分の手で価値あるものを作り出せる実践者を求めていると感じます。
現在私は京都で草木染めに使える植物や、シルク素材の絹糸を作る蚕、桑の木を育てる取り組みを行っています。今後は自然やその土地の文化と触れ合ったりそこに参加することで、その豊かさから大切なことを受け取り、人の心の変容を促していく場づくりをしたいと思っています。
私一人がリーダーとして動くのではなく、皆さんを巻き込んでムーブメントを起こせる仕組みが作れたら、「私もやってみようかな」と踏み出せる人が増えるのではないかと思っています。
エシカルなもの作りを未来へ広げていくためには、どのようなことが大切だと思いますか？
リラックスする時間を設けて、自分の心と向き合うことです。持続可能な未来を作っていくためには、まずはゆっくりと自分の内面を知ることが大切です。一人一人が本当に大切にしていることを思い出して、その気持ちを持ち続ける。そうすることで日々の行動への意識が変わり、結果的に自分と社会の本質的な変化へと繋がっていくのだと思います。
-----------------
小森優美 プロフィール
株式会社HighLogic代表取締役／エシカルファッションデザイナー
新卒でSPA型アパレル会社にデザイナーとして勤務後、2010年26歳で独立。2013年に草木染めシルクランジェリーブランド「Liv:ra（リブラ）」を立ち上げる。「新万葉染め」の技法を使い、京都 川端商店と共にエシカルなランジェリーアイテム作りを行う。
Instagram ＠yumi_komori_
Liv:ra https://livra.shop/
-----------------
![[Special Talk] 「おはよう」も「おやすみ」も心地良くなる植物と眠り](http://andgreen.direct.suntory.co.jp/cdn/shop/articles/article87_1.jpg?v=1697272237&width=1100)
