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&Greenスペシャルインタビュー#22 TOLIGHT デザイナー 青山 明生

&Greenスペシャルインタビュー#22 TOLIGHT デザイナー 青山 明生

植物のアンバランスな美に惹かれて

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1992年、東京都生まれ。文化服装学院アパレルデザイン科卒業後国内デザイナーズブランドにて勤務。プリントや刺繍などの企画デザインに携わる。2016年第90回装苑賞にてrooms賞を受賞。2021年よりスタートした自身のブランド「TOLIGHT」は「絵を描くように自由に」をコンセプトに、花をモチーフとしたドローイングを軸に毎シーズンコレクションを展開するほか、パッケージデザインや企業コラボのプロダクト製作も手掛ける。

Instagram @meiaoyama / @tolight_official
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古着や花瓶に描かれた植物たち

「TOLIGHT」ではアートワークをしながら、ユーズドやデッドストックの洋服にハンドペイントを施した一点ものを作っています。手描きの絵そのものもすでにオリジナルな存在ですが、その個性をさらにスペシャルなものにするためには、ベースとなるお洋服も特別なものを自分で買い付けたり、デッドストックのレース生地を裁断して新しく仕立て直すこともあります。

最初のコレクションからドローイングという軸は変わっていませんが、コロナをきっかけに植物を描きたいと思うようになりました。実際に作ってみたら、私と同じくお客様も日常に自然を求めているのだと感じて、そこから花や植物をモチーフにするようになりました。

同時に、自宅にいる時間が長くなったことで、花瓶にもドローイングをするようになりました。洋服と同様にアクリル絵の具で花瓶の形や色合いに合わせて何を描くか考えるのですが、特に大事にしているのは季節感かもしれません。例えば、この花瓶を描いたのは初夏だったので、透明なグラスにグリーンが映えるようなミントの葉っぱをモチーフにしました。オーダーペイントのイベントでは、お客様と直接お話しながらドローイングしています。例えば「玄関に置きたい」という方だったら、ご自宅の色合いやテイストをお聞きしながら、どんな花瓶がいいか一緒に相談して描いていきます。

最近ではドローイングの原画を販売したり、企業コラボでブランケットや食器などを作ったり、アーティストとブランドの中間的な立ち位置になりつつありますね。

自然が持つ偶然性を表現したい

子供のころに通っていた学校は自然が多い場所で、近くに生えている木の実を友達と食べるなんてこともありました。そんなわけで植物はずっと身近でしたが、仕事として描くようになってからは別の視点を持つようになりました。

「プロダクトに描く」という視点で、どんな花や植物がいいか考えるようになりましたし、花屋の友人に教えてもらって知識を増やしていきました。どこの国の植物なのかも意識するようになりましたね。たとえば、最近よく描いているアンスリウムは熱帯地域のお花です。夏らしさはもちろん、お花だけれど甘すぎない、どこかパワーを感じさせてくれる形が気に入っています。

表現したいのは、植物が持つアンバランスな美しさ。つい絵だと左右対称に描きたくなりがちなのですが、自然のものって、日々かたちが変わる不揃いな偶然性があるんです。そんな魅力を形にしたくて、私もあえて筆が動くまま、身を任せるような描き方をしていますね。

お花は毎日描いているので、自宅ではちょっと違うものを求めて、観葉植物をメインに置いています。夫も植物が好きなので、よくお店に見に行くのですが、「これだ!」という植物を見つけるとつい買ってしまいます。枝ぶりや形もひとつひとつ違うから、どうしても欲しくなってしまいます。そんな私の一番好きな色も、グリーン。お花も植物も、必ずグリーンがベースとなっていますよね。自然が持つさまざまな色を調和してくれるのがグリーン。だから、グリーンは最強の色だと思っています。

ブーケのような「&Green」

自宅では大きい植物を置くことが多い私ですが、最近引っ越した新居は前の家より少し手狭なんです。なので「&Green」のようなコンパクトな観葉植物は私の家でもいろいろな場所に置けそう。たとえば食卓にお花を活けてもいずれ枯れてしまいますが「&Green」なら長く楽しめますね。「日当たりが良いときはこっち、夜はあっちに」とすぐに移動させられるのも気軽。

土を使わないというのも面白いですね。鉢植えだと、底まで水が届いたか見えづらいことががあるし、植え替えなどが必要じゃないですか。昔、小さいサボテンを育てていたんですが、水やりの頻度が難しくて枯らしてしまって。「&Green」だと、容器に水がなくなったらまた入れるだけとわかりやすいのがいいですね。

寄植えというのも、お花じゃないけれどブーケっぽくて新しい発想ですよね。単体だとちょっと脇役っぽくなる植物も、他の種類と組み合わせることで活かせる良さがあるなと思いました。ふわふわした植物のなかに、ひとつどっしりした子がいても可愛くなりそうです。生花より長持ちする植物がほしいけれど、大きな植物を置くスペースはないという人も育てやすそうなちょうど良さがあります。

もしこのオリジナルポットにペイントするなら、やっぱり上に乗る植物に合わせてグリーン系を描くかな。でも、反対に黄色やピンクのようなもっとカラフルな色や、白中心の花を描いたりしてもかわいいかも。いろいろ想像が膨らみます!

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